「あーあ…天宮さん固まっちゃってるよ」


「王子のギャップにやられたんじゃね?」


「つーか、俺ら全員やられたし!」


「ねー。まさかさあ、王子の高校デビューが、こんなのとは思わなかったよねぇ」


「ハイハイお前ら静かにしろー?確かに俺もビビったけどな!」


「嘘だぁ~!山ちゃん、めっちゃ普通だったじゃん!」


「そうそう。ノーリアクションだったよねぇ?」



クラスの皆や先生が色々言っていたが、私はまだ動けずにいた。


えっと…王子様は…

王子だけど…王子様じゃなくて…

つまり…

オネェ…オカマさん…??



「あら、驚かせちゃったかしら?ごめんなさいね。……改めて、よろしくね?」



にっこりと笑う、王子様。


綺麗というよりは格好良い。

……台詞を聞かなければ。



「…よ…よろしく、です」



こうして王子様と

再会したのでした――



( 前後の席 end )