見つめ合う二人の瞳の中に、瞬間様々な思いが去来した。 ここまで来るために、数々の痛みを乗り越えなければならなかった。 だがそれを越えなければ、二人がこれほど固く結ばれることはなかったかもしれない。 ずいぶん多くの時間を費やした。だが、確かにそれだけのことはあったようだ。 ローズの目から銀の雫が一筋、伝い落ちた。 子爵は指先で優しくそれをぬぐい去り、再び熱く激しいキスで彼女を満たし始めた。 ~ fin ~