来た時とは違う体温。
体中熱を帯びたみたいに恭の温もりが伝わる。
外は物凄く寒いのに、お互いの体温で雪が溶けそうなくらい熱い。
部屋の中はあたしと恭の吐息だけで…
恭の深い抱え込んだ傷口に入り込む様にあたしでいっぱいになってほしいと、
そう思った。
「…若菜、」
「うん?」
お互いに触れあってた肌が離れる。
繋がったまま真上から見下ろしてくる恭は口角を上げ、フッと笑った。
「すげぇ気持ちよすぎる」
「…っ、」
何言ってんの、この人は…
と思った瞬間、恥ずかしあまり自分の額に腕を置き、目を隠す。
「今更、恥ずかしがんなよ」
「……」
「って、なんか話せよ」
「……」
「ずっと俺の傍に居てほしい…」
「うん」
「それは返事してくれんのな」
恭のうっすら笑う声が聞こえる。
額に腕を置いていたのを恭が振りほどくと同時に、また恭の唇が落ちて来る。
あの頃…
あの屋上で恭を見かけて居なかったら、恭と出会うはずなんてなかった。
あの澄んだ空の様に、今のあたしの心も澄み切っていて、幸せを感じる。
だから、もう一度、
あの季節が来ると、
あたしは澄んだ空の下で、もう一度、
恭と一緒に眺めたいと、そう思った。
<完>



