「はい。答えは一つだかんな。俺がいいか、恭がいいか。はい、どっち?」
「なんですか、その選択…」
「どっち?」
あたしの言葉など無視して問い詰めて来るセナさんに思わずため息が出た。
セナさんは軽い。
軽いと言うよりも強引?
いや、もうよく分かんない。
セナさんに会うと、何故か調子が狂う。
「若菜ちゃん、はーやーくー!答えないって事は俺って事でいい?」
「はいっ?なんでそーなるんですか?」
「だってここに居るって事は俺かなって、思っちゃう」
「いやいやセナさんではないです…」
「うわっ、なんかちょっと傷つくわ。やっぱ恭かよ、」
「……」
なんだかよくわからなくなってきた。
セナさんに物凄く流されているような気がする。
「もう恭んとこ行くよ?」
「……」
それでも何故かあたしの口から、はいって言葉が言えなくて。
なんでこんなに逢いたいって思っていても、なんでか悩んでる自分が居る。
自分でもめんどくさいって思ってしまった。
物凄く、物凄く、めんどくさい奴って思ってしまった。
その言葉が通じてしまったのか、セナさんは、
「もう、めんどくさいから行くよ」
なんて言葉を吐き捨て、車を発進させた。
ただ、ぼんやりと窓の外を見てた。
未だにチラチラと振ってる雪が、今のあたしの身も心も冷たくする。
会ってどうしようか…なんて事はさておき、話す言葉すら見つかんない。
もう一度、振られるのも怖い。
また曖昧な言葉で片付けられたらどうしようって、そう思うと尚更、どうしていいのか分かんなくなる。



