「此処・・・良いじゃん」


私は、結構良い場所を見つけた。花がいっぱい咲いていてとても綺麗だ。
  私に、花が好きとかいう趣味はないが、綺麗だなぁとは思うけど・・・
花は・・・潮音が好きだったなぁ・・・
  私が奪った。潮音・・・


「・・・また・・・考えちゃった。本、読もう」


 私は、暗い気持ちになったから、本を読むことにした。
本を読むのは好き。マンガもそれなりに好き。物語が好き。


「・・・こんな所あったんだ」


チッ。本に夢中で気配に気づかなかった・・・情けない。


「ゲッ!女!?」


確か昨日の・・・


「馨・・・だっけ」


「俺の名前を呼ぶな!」


あっ、当たり?


「あっそ」


本に視線を戻す。別に嫌われようがどうでもいい。嫌いなら嫌っとけばいい。


「なぁ・・・」


話しかけられた。視線を上げる。


「何」


早くして欲しい。本の続きだから・・・早く読みたい。


「また・・・此処来ていいか?」


「悪いけど。私、毎日のように此処にいるから。

 それでも良いなら。第一私が決めることじゃない。」


「・・・ははッ。そうだな。また・・・来る」


「そう。」


本に視線を戻した。また夢中になる。