わかっているのに。 先生は私の気持ちを知らないんだし、私だって伝わらないように仕向けてるんだもん。知らなくて、当たり前。 わかっている。 先生は何も悪くない。私がただ、幼いだけ。 それでも、先生が明日、中村先生の誕生日を祝って、中村先生にプロポーズをするなんて。共に人生を一緒に歩くことを決めるだなんて。 想像するだけで、どうしようもない嫉妬で埋れそうになるの。 先生は、そんな私の気持ち、何も知らない。 「望月…。」 「……。」 「もちづき!」 何も、知らないの。