怖くなってつい言ってしまった。 『触らないで!!』と。 彼の伸びた手がビクッとした。 あたしはハッとして思わず屋上へ逃げた。 ―…バタンッ。 『ハァハァ…うっ…ひっく…』 あたしは屋上の柵を越え、あと一歩出せば落ちるところに立って、空を見上げた。 『愛生ごめん…こんなあたしが親友で…秋良(あきら・彼氏)…今までありがとう…裏切ってごめん…今から死んで償うからね…』 さようなら―……。 この世界―……。 あたしの人生―……。 楽しかった時間―……。 忘れないよ―……。