『ママ来てると良いね』
「うんっ!」
柚希サンが病室のドアを開けた。
「ママ!!」
海世チャンの声に会社の制服を着た女性が振り向いた。
「海世っ!」
海世チャンはその女性に駆け寄った。
―……バチンッ!
「なに考えてるの!!」
海世チャンはママと呼ばれる女性に打たれた。
「ごめんなさい……」
―……ギュッ。
その女性は海世チャンを抱き締めた。
「どれだけ心配したと思ってるの!?海世が事故にあったって聞いたとき心臓が止まるかと思った……」
「ママは……海世のこと嫌いでしょ?」
体を離し聞いた。
「誰がそんなこと言ったの?」

