「そうだっ!辛くなったらいつでもここに来ればいい。時間があれば僕も相談相手になるから。一人で抱え込まないで」
「海世……ここにいて良いの……?」
『消えて良い人間なんてこの世にいないの。人は意味があって生まれてくるんだよ。それに人は生まれながらに死に向かって生きている。……陽太はそれが早かっただけだよ』
そう……早かっただけ。
誰も悪くない。
「海世は……いつも一人なの。パパが死んでからママは人が変わったように毎日忙しく働いてる。だから本当は海世のこと嫌いなのかなって……」
『そんなことないと思う。きっとママにも想いがあるんだよ。海世チャンのパパが死んでしまったときママは辛かったかもしれない。でも海世チャンがいたから今があるんじゃないのかな?海世チャンを支えに生きてきたんじゃないのかな?』
「ママに会いたいなぁ……」
「病室に戻ろっか」
病室に戻るため屋上を出た。

