「愛生」


『ん?』


「いつ記憶が戻ったんだ?」


『えっーとね、階段で陽太があたしを守ってくれた日から少し前かな』


「結構前の話だな」


あっ、そーいえば……。

『陽太……ありがと……』


「なんで?」


『あの時助けてくれたのにお礼言ってなかったし……』


「ちげーよ。なんで先に言うんだよ!俺だって言いたかったのに……」


『なんで?陽太に感謝されることなんて何もしてないよ?』