「ムーン様をお守りするために…」 「たかがお世話係のメイドに何が出来るの?」 ユキ姫は鼻で笑って言った。 「ユキ姫様は母のことご存知ですか?」 「ええ。だって貴女のお母様はワタクシが手に掛けたんですもの」 ニコリと微笑んだ。 「やはりユキ姫様だったんですね…」 マリンはギュッと拳を握りしめた。 その拳は微かに震えていた。