『そうか?なら、いいけど。その時はよろしく頼むぞ』 「う、うん」 そろそろ、電話が切れる……と、思ってたら。 『……そうだ、雅』 「な、何?」 改まった口調で話しかけられ、雅は一瞬取り乱した気持ちを整えた。 何を言われるのだろう……。 そんな風に、ドキドキしながら。 しかし、 『──そろそろ、お母さんの命日だ』 ……その言葉に、息が止まりそうになった。