桜廻る





お金を払うと、踵を返して、土方の所に向かった。





「ありがとうございました~」





その雅の背中に、そんな声がかかる。


軽く会釈をすると、そのまま花屋を出たのだった。






花屋を出ると、また色々な店が見えてくる。


雅たちはそのまま、食料品が売ってる所まで行った。





「何が食べたいですか?」


「……そうだな。沢庵とか…」





ぼそっと土方が言う。


雅は一瞬、きょとんとしてしまった。





「沢庵…好きなんですか?」





ふと、おにぎりの中から見えた黄色い物を思い出す。





(あれは、沢庵だったんだ)