桜廻る





「いらっしゃいませ~。何かお探しですか?」


「えっと、竹を…」





そう答えると、店員さんは、「少しお待ち下さい」と言って店の奥に消えていった。


その間、二人は様々な花を見る。






「あ、ひまわり」






雅はそう呟きながら、ひまわりに近付いた。


明るくて黄色く、小さな花弁が集まって、中心にはたくさんの種があるひまわり。


ぐんぐん、空に向かって大きく生長する。





「この花、お前みたいだな」


「……えっ?」


「まだお前は小さいけど、一所懸命に大きくなろうとしている。俺には分かる」