── ─── ──── それから、しばらく時間がたった。 雅も準備が終わり、出かけようとする。 しかし。 「土方さん、服が、なかったので……。留守番してもらってもいいですか?」 「……別に、この格好のままでいい」 この格好……というのは、やはり着物だ。 しかも、洗っていない。 「いいんですか?」 「構わない」 「……目立ちますよ?」 「このままでいい」 頑として引かない土方の意思は固いみたいだ。 雅は苦笑しながら、カバンを肩にかけた。 「じゃあ、行きましょうか」