桜廻る




「お前、何やって……」


「こ…来ないで下さい……!」





雅の叫びなど構わず、土方は入ってくる。



そしてベッドに座るなり、雅の左手を掴んだ。






「や……っ」


「……うるせぇな。少し我慢しろ」






昨日と同じ台詞を言うと、土方は、昨日とはまた別の手拭いをおもむろに取り出し、雅の手首に巻きつけようとする。






「いいです!ほっといて下さ……っ」


「目の前で血流してるやつを誰がほっとくか!」






土方は声を荒げながらも、ぐるぐると器用に巻いていく。



緑色の手拭いには、血が滲んでいった。






「お前に何があったか、知らないが……」






一つ、結び目が出来る。