パタパタと、スリッパで歩く音が響く。 職員室から教室までそこまで離れていないが、やっぱり足取りは重い。 一時間目は……確か日本史だ。 溜息をつきながら、教室へ動かす足を速めた。 やがてドアの前に立ち、ガラッと扉を開く。 杏奈や他の女子達が、雅を睨んでいた。 「来たよ……」 まるで汚い物を見るような目。 唇を噛んで、自分の席へと向かうが、机の上の変化に、息を飲んだ。 『バカ、死ね、学校来るな』 ……大量の落書き。 思わず、手に力がこもる。