「では、貴女を幕末の時代に帰します」 返事はせずに、雅は頷いた。 時猫は、輪を取り出す。 そしてそれを、雅の前に移動させた。 「これをくぐって下さい」 「はい……」 ゆっくりと地を踏みしめ、輪をくぐった。 すると……桜ではなく、光が雅を包み込む。 目の前が光で真っ白になり、雅はそのまま意識を手放した。