桜廻る





外に出たら、爽やかな風が雅を出迎えた。


澄んだ水色の空。


だが、一歩一歩踏み出す度に、雅の足取りは重くなっていく。





(学校嫌だ……)





それは、いつも思う事。


しかし雅は分かっていた。


いじめを終わらせるには、自分が変わるしかないと。


強くならなくては、いけない事を。


強くならなきゃ、強くならなきゃ……。


そんな風に、自分に何度言い聞かせても、やっぱりその覚悟は、教室に入ると引っ込んでしまう。


やがて校門の目の前に立つ。


睨むように校舎を見つめると、雅は足を踏み入れた。