「この日本が、どう移り変わっていくのか、その目でしっかりと見なさい」 「榎本さん……」 「分かったね?」 そう言った榎本の表情は、いつもよりも穏やかだった。 土方は、小さく頷く。 「……よし。じゃあ雅さん、土方を頼むよ」 「はい」 そう言うと、榎本は部屋から出て行った。 二人だけになった室内に、静寂が漂った──。