桜廻る





「竹で何をするんですか?」


「植えるんだ」





土方は自分で作った卵焼きを、口に入れた。


すぐ、眉間に皺を寄せる。





「……苦い」





感想はその一言だけだった。





「明日、何か一緒に作りましょうか」


「いいのか?」


「はい。明日学校休みだし……。
今日は、竹と、何か材料買ってきますね」





雅の提案に、土方は素直な笑顔になる。





「何から何まで世話をかける。ありがとな」


「いえ。……あ、そろそろ行きます。ごちそうさまでした」





雅は食器を流し台に置くと、カバンを持って、玄関に向かった。