桜廻る





それから雅は……


土方の帰りを待った。


長く感じた。


まだ、朝だ。


時計はないが……多分、八時過ぎくらいだろう。


ただひたすら手を握るしかなかった。


まだ、今日は怪我人が来ていない。


まだ……戦は、終わっていない。





(土方さん、帰ってきて……)





「──敵の船が沈んだぞ!」





(え……?)





突然の叫び声に、雅は顔を上げた。