桜廻る





しかし。





「言ってくれてありがとうございます、土方さん。でも……」


「……?」


「駄目です」





雅は、土方の言葉を否定した。





「生きなくてはいけないんですよ、何があっても」


「……」





雅の言葉に、土方は目を丸くした。





「……それに、土方さんが言ったんですよ?始めて私と会った日に」





そこで言葉を止め、もっと強く土方を抱きしめた。





「“死ぬな。生きろ”って。私、死にたくて死にたくて堪らなかったのに、何度その言葉に救われたか……」