桜廻る




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土方は、いつものように洋服を着た。


そして……近藤に渡したのと同じ、浅葱色の布を腕に巻き付ける。





「……土方さん」


「雅?どうした、早いな」





雅の方に顔を向けると、少し微笑んだ。





「行くんですよね、また、戦に……」


「……あぁ」





いつもの返事。


いつもなら、ここで気を付けて下さいと、雅なら言う。


しかし、今日は何も言わない。





──胸騒ぎがする。