桜廻る





一人で抱えてほしくない。


それが、雅の本音であった。


土方は思わず、雅の方を向く。





「雅……」


「言って下さい、何でも」





雅は下を向いた。


そして……顔を上げて、笑顔を見せる。





「待ってますから」





そう言うと、雅は土方の部屋を出た。