桜廻る





「頼んだぞ、市村」


「はい……っ。必ず、お届けします」


「……あぁ」





市村は背を向けて、部屋を出た。


直後、土方がいる部屋から、小さな市村の影が僅かに見える。





「頼んだぞ……」





その背中に、土方はもう一度問いかけた。