桜廻る





「はい」


「これはな、俺の中で一番の出来だと思ってる」





土方は開いた冊子を雅に見せて、ある一行を指さす。


確かに、その行にはぐるっと丸で囲んであった。


すると、土方は冊子を閉じて、元の場所に戻した。





「雅。約束だ、寝ろ」





そう言いながら、再び銃の書物を手に取る。





「はい。おやすみなさい」





雅は目を瞑って、そのまま眠りに落ちた。