船の中に座り、窓から海を見た。 ゆったりと流れているのに、緊張する。 海と真逆だ。 気持ちを晴らしたい……そんな思いだった。 「ふぅ……」 首を振り、暗い事は考えないようにする。 土方に変に心配をかけたくないのだ。 しかし…… ふと、雅は考える。 (あの女の人は、誰?) 時々、夢に出てくる女の人。