── ─── ──── 「ここで、少し休もう。仙台までまだ遠い。疲れて倒れるのが一番最悪だからな」 一方、土方は木陰で身を潜めていた。 休むと言いつつ、周りを警戒しながら。 「市村、少しいいか?」 「はい、副長」 土方は、小姓である市村を呼んだ。 市村はすぐ土方の元へ駆け寄り、ひざまずく。 「体を休めてからでいいから、この辺りが安全かどうか……確認してきてくれ。もし敵が近くにいるなら、すぐに移動する」