桜廻る





必死で走り、土方の姿を探した。


しかし……


見当たらない。





「土方さん……どこ?」





木と木の間をかきわけて進んでいく。


草履の中に枝が挟まって少し痛む。


しかし……


そんな痛みなど感じなかった。


やり直せるのなら。


これが、再起の道への第一歩となるのなら。


雅はしっかりと地面を踏みしめ、走り続けた。