桜廻る





……それは、現代での事だった。


土方と竹を探しに、店へ行ったのだ。


雅もひまわりの花を見つけ、土方にお前に似合うと言われ……。


それで、雅も買った。


今もあの家には、ひまわりと竹が並んでいるのだろうか。


市村は背筋をただし、再度口を開いた。





「新選組副長の土方歳三さんから言われ、ここまで来ました。──“これを、桜川雅という女に渡してくれ”、と」


「……っ」





ぎゅっと、櫛を握りしめる。


途端に涙が出てきた。