桜廻る





頭に雪が積もり、顔色も悪い。


すぐそこにある着物を手に持ち、その男の体にかける。





「ありがとう、ございます……」





男は寒さでガタガタと震えていた。


雅は急いで、その男の分の味噌汁も入れる。





「これで、暖まって下さい」


「は……はい」





よく、顔を見てみると……


男は雅と同い年くらいだった。