桜廻る





中に入ると、湯気の立った味噌汁が雅を出迎える。


正座をして、お椀を手で包み込んだ。


温かく……心も落ち着いていく。





「ゆっくり飲んで下さい」


「はい」





傾けて、味噌汁を口に含んだ。


……久し振りに落ち着けた気がした。


寒くて凍えていた体が、じわじわと暖まる。





「雅さん……大丈夫ですか?」


「え?」


「いえ、大丈夫じゃないですよね。辛いのは、私もよく分かりますから……」