桜廻る





念を押すようにそう言うと、八重は安心したような表情を浮かべた。





「ありがとうございます」


「いえ……」





雅は、八重の持っている鉄砲に目が行った。


八重はその視線をたどり、優しく微笑む。





「これは……私の兄がくれた物なんです」


「お兄さんが?」


「はい。でも、兄が生きてるかは……分からなくて」





八重は悲しそうな表情をする。





「弟は死にました。兄も、もしかしたら……。だから、敵を討とうと。この鉄砲で」





ぎゅっと、鉄砲を強く握った。