桜廻る






「新選組の、お仲間の方ですよね?」





八重は立ち止まって振り返ると、雅にそう聞いてきた。





「はい」


「そうですか……昨日は、すみません。会津の者が、新選組を愚弄するような事」





雅は慌てて、首を振った。


そして、さっきよりも深く頭を下げた八重。


その八重の頭を、上げさせる。





「大丈夫ですよ。気にしないで下さい」





本当ですかというような八重の表情に、雅はしっかりと頷いた。





「大丈夫ですから」