桜廻る





それからまた、城下へ行き、手当ての手伝いをする。





「今日も酷いですね」





時尾は思わず、そう呟いた。


鳴り止まない大砲や鉄砲の音……。


不安になり、空を見上げる。





(土方さん大丈夫かな……)





きっと、今もどこかで戦っているはずだ。


その時だった。





「あ、八重さん!」





時尾は、不意に声を上げる。