桜廻る




──次の日。


雅は朝早く起きて、おにぎりを作っていた。


といっても、米も少ないし具もないから、小さく握ったただの白米だ。


しかし……そんなおにぎりでも、白虎隊の隊士達は、美味しい美味しいと言いながら頬張っていた。


さらに、一人一個ずつ作り……


それをみんなに配っていく。





「はい、どうぞ」


「……」





やはり返事はなかったが、全員、雅に軽く会釈していた。





「ご武運を……!」





丁寧に頭を下げる。


白虎隊は、ついに出動した。