桜廻る





しかし、雅と同じ歳くらいの一人の男が、口を開いた。





「すみません……だって、嬉しくて」


「だって俺ら白虎隊に、やっと出動命令が下されたんですから」





いえーい!とでも言うように、また騒ぎ始める。


その明るい表情に、雅も笑顔になった。





「あの、皆さん鉄砲とか強いんですか?」





そう明るい声で問いかけてみるが……誰も、答えてはくれない。





(あ、あれ?)





「あのー……?」





もう一度言っても、返事は一つもなかった。