「いいですね、海。気分転換に」 「だろ?」 土方が嬉しそうに笑うから、雅は土方の体を支えて歩き続けた。 後ろからは、斎藤や他の隊士。 彼らにも気晴らしに丁度いいだろう。 土方の言った通り、海の音が聞こえてくる。 ザブン……という規則正しい波の音と共に、塩の匂いが漂っていた。 三日月の光が雅達を照らす。 「はぁ……」 雅は長く息をついた。 この幕末に来てから大分時間が経つ。