また、新政府軍に見付からないように歩いて行く。 「気晴らしに……海に、行くか」 土方の言葉に雅は目を見開いた。 「こんな時に、いいんですか」 「通り道なんだから、少しくらいいいだろ」 少し足を早める土方に雅は慌ててついて行く。 「まだ足も怪我してるのに……っ」 「そんなもの痛くねぇ」 でも、とまた言い返そうとしたが、思いとどまった。 すぐ笑顔になって、土方を見上げる。