桜廻る





「左之助、おめぇ……まさか、この子狙ってんのか?」


「あ?俺にはおまさちゃんがいるからなー。はははっ」




背の高い男は、そう言って一人で笑い始めた。





「あの……。すみません、私ちょっと急いでいるので」





雅はそう言いながら、そそくさと二人の脇を通り過ぎようとする。





「お、おい待てよ!俺の名は原田左之助だ!」





背の高い男は雅の腕をがしっと掴んで、大きな声で名乗った。


その声の気迫に、雅は驚く。





「俺は永倉新八だ。俺らと副長は同志だからな。よろしく頼む」





体格の良い男も名乗り、少し頭を下げた。


原田は明るく、永倉は堂々とした印象を雅は受けた。