桜廻る






聞いた事もない単語に、雅は首を傾げる。





「新選組の人だと思われないように、普通の人の格好をして、京を監視するのとか……。他にも色々仕事はあります」


「あ、そうなんですか」





山崎が丁寧に教えてくれ、雅は素直に頷いた。


しかし、山崎は突然、眉間にしわを寄せる。





「大丈夫ですか?痛みますか?」


「……平気です。ちょっと深くやられてしまいましたが」





そんな風に笑いながら言うが……やはり心配だ。


雅は一度、手拭いを山崎の額から外す。


この短時間で、もう手拭いは血で真っ赤になっていた。


……止まっていない。