桜廻る





「まず、お礼を言っておきます。土方が未来に行った際……雅さんに世話になったそうですね。ありがとう」


「いえ、全然。私の方が、助けてもらったようなものですし」





雅はそう言いながら、優しく微笑んだ。





「本当に、ありがとう。助かったよ。それで、まぁ忙しいから、申し訳ないがすぐ本題に移らせてもらう。それでもいいかい?」


「はい、大丈夫です」





雅がそう返事をすると、近藤はゴホンと一つ咳払いをした。





「雅さん、本来なら、君はすでに追い出されている身です。……しかし、女子である事や、土方を助けてくれた事を考えると……恩を返さなくてはなりません」


「え……?」