桜廻る





……その時だった。


カラッと襖が開き、土方が入ってくる。


しかし、その後ろからもう一人、続いて男が入ってきた。





「君が……桜川雅さんだね?」


「え?あ、はい」





雅は居住まいを正し、その男を見る。


……何だか、貫禄のある男だ。





「新選組局長の近藤勇と言います。君の事は、土方から話を聞きました」





(新選組の局長……?)





歴史を勉強しておけば良かったと、雅は今更ながら後悔する。


土方が新選組の副長だから……その上の位に当たる人なのだろうか。