桜廻る






「気にしないで下さい。だって、あんな洋装してたら誰でも怪しむに決まってますし」





雅も苦笑しながら、そう答えた。


沖田はその途端、ごほごほと咳をする。





「大丈夫ですか……?」


「ごほっ……。すみません」





何とか息を整え……沖田は、再び口を開く。





「あの、本当なんですか?未来から来たって」


「はい」


「土方さんも、その……。未来に、行った事あるんですか?」


「はい、そうです」





雅がそう答えると、沖田は何故か、曖昧な表情をした。





「……いいなぁ」


「え?」





不意に呟いたその言葉の後……私も行ってみたいと、沖田は小さな声で言った。