桜廻る





雅がタイムスリップした場所は……何と、大阪城だったらしい。


明後日船が来て、土方達は江戸に向かうそうだ。


そして今、雅は沖田のいる部屋に再びいた。


土方に、面倒を見てくれと頼まれたからだ。





「……沖田さん、お茶です」


「あ、はい。ありがとうございます」





沖田はゆっくりと起き上がり、さっき雅に刀を向けた事もあって、気まずそうな表情をする。


妙な雰囲気が漂う中、雅は土方から「これ着ろ」と渡され身に付けた着物を、少し直した。





「すみません、雅さん。刀向けたりして」





沖田はお茶を一口だけ飲むと、また布団に潜り込み……寝た状態のまま、頭を下げた。