桜廻る





雅はその後、土方から話を聞いた。


つい昨日、鳥羽伏見の戦いが勃発した事。


その戦いは、恐らく、雅がいた平成時代へ繋がる物だろうと、土方は言った。


鳥羽伏見の戦いは、戊辰戦争の一番最初の戦だ。


土方達は幕府の味方。


幕府軍として戦っている。


その敵の事を……総司、つまり沖田総司は、新政府軍と言っていた。


新政府軍は、薩摩や長州、現代で言う山口県と鹿児島県の藩士。





「新政府軍は南から北へ攻めるつもりだ」





土方はそう言った。


まずは京にある鳥羽伏見で戦を起こし、自分達の味方を増やしていく。


それから北上し……やがては、自分達が日本を仕切り出す。


そして、外国と活発に交流し、雅が現代で使っていたような、電話や冷蔵庫のようなカラクリが増えてくる。





戦もなく、武士もいない……新しい日本を作る為の、戦いだろう。


これが、新政府軍のやり方だろう……と。