桜廻る





驚いて見上げると、そこには口角を上げた土方がいた。




「いいだろ別に」





そう言いながら、今度はちゃんと横に並んで歩いて行く。


少し照れつつも、歩みを進めていった。


そして辿り着いたのは……。





「土方さん、ここに入りたいんですか……?」


「そこらの変な乗り物よりは断然いいだろう」





(ひ、土方さんにとってはそうかもしれないけど!)





そこは何と、お化け屋敷だったのだ。


無理無理……と雅が考えていても、土方に恐怖なんて物は一欠片もないらしい。


スタスタと、建物の中に入っていく。


そして、もちろん真っ暗な室内。





「きゃぁぁーっ!」


「騒ぐな雅」


「だって、ほら、あそこにも!お化けが!」