桜廻る





「い……行きましょう!土方さん!」


「お、おう」





照れを隠すように、雅は背を向けて土方の手を引っ張った。





「み、雅?」


「何に乗りたいですか?コーヒーカップもあるし、ジェットコースターもありますよ!」





雅はずんずんと歩いて行く。


手を引かれ、慌てて足を動かす土方。





「メリーゴーランドも……。ほら、色々ありますよ!何がいいですか……って、えっ」





雅はそこで、自分の手がどうなっているか気付く。


しばらくそれを凝視し、慌てて手を離した。





「す……すみませんっ!」





しかしその手は、土方に掴まれる。