桜廻る





「いきなり遊園地なんて……びっくりだな」




父は、ハンドルを持つ手を動かす。


ミラーに映る目は、穏やかに笑っていた。


雅、土方、父と三人でドライブ。


土方は車に初めて乗ったから、驚いていた。





「だって、行きたいなーって思って」





窓から入ってくる風が気持ちいい。


雅と土方は二列目の座席に座り、二人の間には弁当。





「……遊園地とは何だ?」





これから何が起こるか全く分からず、首を傾げる土方。


そんな土方に、雅は笑ってみせた。





「着いてからの、お楽しみです」